ところが、、、
おじさんの様子がおかしい。
くるくるくるくるぐちゃくるぐちゃぐちゃくるくるくる…。
3枚ある鉄板のうち真ん中の鉄板の火が弱いのかなんなのか、見事なまでのぐちゃっぷり（なにそれ）。
しばらく触らない方がいいと思うけどなぁ。
ぐちゃ。
あ、だからしばらく…
ぐちゃ。
ひっきりなしにたこ焼きを触り続けるおじさん。
ぐちゃぐちゃ…っぽん！

ひゃ、タコが飛んだ！

あまりのことに声も出ず、タコの家出したたこ焼きを見つめる私。一瞬止まった後、何もなかったかのようにくるくるぐちゃぐちゃし続けるおじさん（心なしか顔が赤い）。
屋台のまわりには重苦しい空気が…。
声かけた方がよかったのでは、私。「うわぁタコ飛んだ～」とか。そうしたら「ははは、まだタコ生きとったなぁ」とかおじさんも言って今この場に和やかな空気が流れたのではないか。今からでも遅くはない、言え、言うんだ私！「飛んだ～」はもうおかしいから「いやぁ飛びましたね～」くらいにして。さあ！

ごちゃごちゃ考えている間におじさん暗くタコ追加。
しまった、言いそびれた…。もういいや、もう少しの辛抱だし、と思ったのだけどしつこいくらいにくるくるは続く。あのーもう焼けてると思うんですけどぉ。その端のとかいい色してると思うんですけどぉ。まだ回すんですか～？この微妙な空気を漂わせたまま回し続けるのですか～？

うつろな目をしている私の横に新しいお客さんがやってきた。
「このたこ焼きいくつ入りでいくらなんですか？」
おばあちゃん、なぜおじさんに聞かずに私に聞くのか？？？
私「8個で300円だそうですよ」
おば「あら」（ちょっと高いと言いたげな顔）
私「え…っとジャンボですしねー」
おば「ほんと、大きいわねー」（納得した顔）
私「ですよねー」（なぜかホッとする）
おば「私も一つ下さーい」

いやーよかったよかった♪ってどうしてどうして私がたこ焼きおじさんをかばわねばならないのかっ！なんで！？よく分からないモヤモヤを抱えたままやっとこさ出来上がったたこ焼きを受け取り、おばあさんににこやかに会釈をして立ち去る私。そのままモヤモヤをたこ焼きにぶつけながら食べたため食べ足りない気分。
くやしいからスーパーに行ってたこ焼きの材料買ってきました。
ええ、明日もたこ焼きです（－＿－）